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JECCICA(ジャパンEコマースコンサルタント協会) 様

「JECCICAニュース 2014年09月号 コラムJECCICA」寄稿

  • コラム寄稿

オムニチャネルとは?(文・唐笠 亮)

 

今、EC業界で最も注目されているトピックの一つに「オムニチャネル」が挙げられます。

オムニチャネルとは、何でしょうか?【実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合すること、および、そうした統合販売チャネルの構築によってどのような販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現することである。(出典:IT用語辞典バイナリ)】とされています。

3年後には9000万(契約数)を超えると予測されるスマートフォンの飛躍的な普及と、一日あたり平均2時間とも言われるインターネットへの接触時間の増加は、お客様の情報収集行動を大きく変化させています。

お客様は「リアル(オフライン)だ、ネット(オンライン)だ」と分け隔ててはおらず、便利で快適である限り、都合に合わせてどちらも上手に使用したい。お客様の購買行動におけるリアルとネットのシームレス化も、加速度的に進んでいると言っていいでしょう。

そうしたお客様の劇的な行動変化への対応の一つが、「オムニチャネル」です。特に、リアルの店舗を基軸にECも展開している、いわゆる「併業EC」の事業者様にとっては、興味深いトピックでしょう。

 

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会「JECCICAニュース 2014年09月号」

オムニチャネルの狙い

 

EC市場が全体として堅調に拡大を続ける一方、それ以上のスピードでプレイヤーが増加し、飽和状態にある中で、「ECをやりさえすれば、売れる・儲かる」そんな時代はとうに過ぎ、競争の熾烈化や集客の孤立化など、EC事業者の悩みは年々深刻さを増しています。しかし、一歩引いて見れば、依然としてBtoCにおけるEC化率は(高くても)10~20%程度。消費・購買の主軸は、あくまでリアル店舗にあります。

「都合に合わせてリアルで買ったりネットで買ったりしているだけ」のお客様に対し、リアル店舗での買い上げとECでの買い上げとを別々のものとして捉えるではなく、「結果としてどちらで買っていただいてもいいが、自分のショップやブランドで買っていただくこと」、つまりライフタイムバリューやマインドシェアの向上こそが重要であり、オムニチャネルの狙いなのです。

ある有名ファッション・アパレルの事業者様の事例では、
・リアル店舗の顧客で、かつECを使わない顧客の売上を【1】とすると、
・リアル店舗もECも使う顧客の、リアル店舗での買い上げは【2.5】
・リアル店舗もECも使う顧客の、リアル店舗+ECの買い上げは【3】
ECを使う顧客による「ECでの買い上げ」はもちろん、「リアル店舗での売上向上に(ECでの買い上げ以上に)大きく寄与している」という結果が出ています。

オムニチャネルにより、自社のブランド・サービスに対するライフタイムバリューやマインドシェアの向上が図れた好例と言ってよいでしょう。

 

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会 特別講師、株式会社パルコシティ シニアコンサルタント唐笠の写真

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会 特別講師、株式会社パルコシティ シニアコンサルタント:唐笠 亮

オムニチャネルの本質とECコンサルタントの役割

 

ただ単に「リアルの店舗も展開しているし、ECも展開している。どちらでも同じ商品が買える」、これでオムニチャネルと呼ぶには不十分かもしれません。オムニチャネルの本質的な部分は、「CRMにおける総合的アプローチ」と考えるべきでしょう。

認知・関心に繋がる「メディアやソーシャルでの発見」、ショッピング前の下調べである「商品検索、ブランド検索」や「店舗検索」、購入検討である「商品比較、価格比較」や「来店、試し」「口コミやレビューの調査」、加えて購入後の情報共有・共感である「シェア」、これら全ての情報収集行動・購買行動に「リアルとネット双方を駆使して積極的に関与すること」、これこそがオムニチャネルの本質であり、単純な「決済手段としてのチャネル整備」ではなく、お客様の消費・購買行動フローへの接点をいかに増やせるか?がオムニチャネルを成功させるポイントと言っていいでしょう。

Webサイトやアプリなどオウンドメディアの活用、LINEやFacebookといったソーシャルメディアの活用、リアル店舗とECにおける顧客管理や購買データの統合と分析、それを支えるプライベートDMPなど...、オムニチャネル時代における「ECの売上」や「リアル店舗への寄与」に直結するものとして、ECそのものの性能・クオリティはもちろんのこと、こうしたネットを通じたお客様とのコミュニケーション設計の比重が大きくなるものと予想されます。

売れるページの作り方、読まれるメルマガの書き方、効率的な広告の出し方など...、これまで我々ECコンサルタントが事業者様へ提供してきたEC運用におけるノウハウや知見に加え、こうした「顧客コミュニケーション設計の診断・助言・提案」も、今後ECコンサルタントの重要な役割になっていくと考えています。

 

JECCICA 一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会

 

JECCICA(ジェシカ)一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会は、Eコマースを支える人材育成のため、中立的な立場で優秀なEコマースコンサルタントを養成・認定する協会です。日本のEコマースの発展で、小売業界を守り、日本経済の発展にお役立ちできるよう、JECCICAは活動しています。